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no.137「リハセラピストのキャリアデザインを考える」

みなさんは、リハセラピストとして、どのようなキャリアを夢見ていますか?

 

臨床で超一流のスペシャリストとして専門性を極めたい、職場の管理職となって大所帯を率い成績を残したい、研究職としてフロントラインで活躍したい、あるいは政治家としてリハの視点から医療行政を変えたい……そんな大きな夢を抱いている人もいるかもしれません。

 

Hall, D.T1976)はキャリアについて、昇進や昇格によって職業の地位が上昇すること、専門職としてのキャリア、ある人が経験した仕事(職業)としてのキャリア、生涯を通じた役割経験としてのキャリア、の4つに分類しています。しかし現在では「生涯の中でさまざまな役割を果たす過程で、自らの役割の価値や自分と役割との関係性を見出していく連なりや積み重ね」という意味合いへと変化しています。

 

そのようなキャリアを、自分の能力、スキル、経験だけでなく、性格やライフスタイルなども考慮しながら、職業人生を主体的に設計することを「キャリアデザイン」といいます。それは配置転換、転職、職務内容の専門化・高度化・多角化などを通して、「こうありたい」と思う将来像へと自分を近づけていく過程です。基本的に、自分のことを決めるのは自分自身であり、自分のキャリアは自分で管理していく必要があります。

 

キャリアデザインにおいては、組織も個人も相互に作用しながら成長し続ける存在であるとされています。個人には、職業や組織、仕事の割り当て、自己啓発、キャリア目標の設定、目標達成のための方向性やタイミングを計画する「キャリアプランニング」が求められます。一方、組織はスタッフの興味や能力と、組織が提供する機会とをマッチングさせるために、キャリアカウンセリングや教育、ポテンシャル評価、組織的なジョブローテーションなどを行う必要があります。組織としてキャリア支援を十分に行わない場合、優秀な人材の流出につながり、それは人的資源の質の低下だけでなく、組織全体の業績悪化にも直結するため、極めて重要な課題となります。

 

一方で、医療専門職のキャリア教育は、どうしても職業教育としてその職業に従事するために必要な知識・技術・能力を育成することが中心になりがちで、一人ひとりの社会的・職業的自立に向けた能力や態度を育てる教育が不十分である場合も少なくありません。特に、論理的思考力、プレゼンテーションスキル、コミュニケーション能力といった、医療・介護職以外の環境にも持ち運べる「ポータブル・スキル」の育成が軽視されがちなのは課題といえるでしょう。

 

徳谷智史著『キャリアづくりの教科書』(ニューズピックス、2023年)は、個人としても組織としても、仕事をするうえでの基礎であり、中長期的な個人の市場価値を左右する「汎用的なポータブル・スキル」を養うことの重要性を改めて教えてくれる一冊でした。 

2025年4月1日

 M.Y

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