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no.134「職場における「人員的余力」を考えてみる」

新年あけましておめでとうございます。

 

 新年になると気持ちも新たに迎えたいですが、仕事の悩みは尽きないものです(苦笑)。

以前巷ではAIなどの人工知能やロボットの普及によって、人が行う仕事が減るのではと噂がありましたが、未だに人手が足りていない仕事も沢山あるのが事実となっています。

 そんな中、現在当院において最重要課題となっているのが「人手不足」です。

 どの職場も抱えている問題とは思いますが、当院のような小規模施設の場合、元々少人数で運営しているため、1人抜けただけでもリハビリスタッフ(無資格者含め)の離職率が10%を超えてしまう事態となります。

 そして現状としては、常に募集をかけている状態ではありますが、リハビリスタッフの必要人数と比較して3名足りていない状態にあります。

 人手が足りていないと一人ひとりの仕事量が増えるのは容易に想像できると思います。

 それにより役割を超えた仕事を強いられることもあり、仕事の出来る人に仕事が集中してしまったり、不慣れによるミスで患者さんに迷惑をかけるなど要らぬ問題が生じてしまいます。

その結果、「現場の状況を理解してくれていない」と経営陣に対する不平不満が出現し、更なる離職に繋がりかねない危機に陥ります。

 そんな危惧を常に抱いて仕事しているのが私の現状です。

 一方でとある小規模施設では、自分のやりたい仕事だけを自分のタイミングで好きなように行いたいと考えている方がいるようで(この方は知り合いではないです)、結果採用枠が増えたそうですが、その方以外の仕事量は変わらず、訴えた方だけが自由に働けるようになって仕事量が減ったそうです。もちろんその方以外は不平不満が挙がっているそうです。

 人員の量的な余力にはその施設の経済力や応募方法にも左右されますので、すぐに解決できるものではありませんが、一方で上記の利己的に働いている人がいるような状況ではいくら量を増やしても質的に問題があると言えるでしょう。

 質的・量的の両方の問題改善には何がいいかを考えていたら、『1位思考―後発でも圧倒的速さで成長できるシンプルな習慣―』(著者:猿渡歩(アンカー・ジャパン株式会社代表取締役CEO) 発行所:ダイヤモンド社)という書に出会いました。

 著書にはモバイルバッテリー世界シェア市場1位の「Anker」をメインとしたモバイルバッテリーを扱う会社(2011年創設)、日本では2013年に雑居ビルの一角からスタートし、初年度の売り上げが9億円から8年後300億円まで上昇しオンライン国内シェア1位になった経緯と著書の思考が書かれており、どうしたら社員を会社の目標に沿わせて働けるのかを分かりやすく説明されていました。

 中でも「全体適正」という考え方は著者の中でも働く上で最も重要とされている考え方で、会社全体が良い方向に向かうためには社員一人一人が自身の行動がチームのためになり、さらに会社全体にも好影響を与える必要があり、社員だけが良い思いをするのもチームだけが良い思いをするのも会社に穴をあける行為になると語っていました。NGワードが「それは私の仕事じゃない」だそうで、そういう社員が入社しないよう、いまだにCEO自ら入社面接に関わっているとのことでした。

 そして社員の評価も「全体適正」を行動出来ているか否かを評価に紐づけており、「期待度」と「満足度」を従業員がサーベイし人事評価として取り入れているそうで、また昇格するにあたっては「ピアレビュー」制度を取り入れ、他部署のメンバーが評価するシステムを取り入れているとのことで、「全体適正」会社に浸透させているとのことでした。

 私も「全体適正」という視点を持って改めて考えると、当院の量的な不足を招いた要因が職員の質的な問題にあったのではと感じ、改めて当院の問題を量も大切だがそれ以上に質の追及もしていかないと適正な「人員的余力」を持てないなと思った次第です。

 

2025.1.10

 T.T

 

[参考図書] 

1位思考―後発でも圧倒的速さで成長できるシンプルな習慣― 著者:猿渡歩(アンカー・ジャパン株式会社代表取締役CEO) 発行所:ダイヤモンド社

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