お問い合わせ

コメディカル組織運営研究会

事務局

e-mail:

co.medical5@gmail.com

部門運営のヒント No.3「システム思考で離職問題を考える」

現在、定例勉強会は「ピーター・M・センゲ 学習する組織」を参考図書として議論を進めています。

その中に取り上げられている「システム思考」。

今回の部門運営のヒントは「システム思考で離職問題を考える」です。

 

今日の問題は、今日の解決策から生まれる?

例えば残業時間を減らすために、業務時間内に書類整理の時間を設ける「解決策」を講じます。しかし残業時間は想像していたよりも減らず、また組織上層から求められる実績に影響が出てしまうかもしてません。

また離職の問題に対してリクルート促進という「解決策」を講じます。しかし離職率は変わらず、逆に組織を離れてたいと考える人が増えることがあります。



因果関係の環に目を向ける

上記の例は一例ですが、現場にある問題は単純な線形の因果関係で結べるものだけではなく、因果の輪になって、また時として非常に見づらく、私達の前に姿を見せます。


考え方の型−システム原型−

現場で起こる様々な問題には一定のパターンがあります。

「成長の限界」「問題のすり替わり」「目標のなし崩し」「エスカレート」などなど。

今日は先日の勉強会で用いられることの多かった「問題のすり替わり」を用いて問題解決について検討したいと思います。


問題のすり替わり

問題のすり替わりとは、短期的な解決策が多く用いられ、根本的な解決策が機能しなくなるパターンをいいます。「現状の解決策でうまくいっているじゃないか」という言葉を聞いたらこれを疑いましょう。対処の原則としては根本的な解決策に徹すること、対症療法的な解決策は時間稼ぎとして使うことが挙げられています。







システム思考を使って、事例を検討してみよう!

先ほど挙げた離職の例を、システム思考に当てはめてみましょう。

離職の問題に対して、人材不足を補うためにリクルートを行います。人材が補充され人員は確保出来ていますが、根本的な問題である離職状況自体に改善はありません。これが対症療法的な解決策です。

システム思考で考えることで、根本的な問題解決は、離職したいというスタッフの心情を改善することだということに気が付きやすくなります。また上記の図でリクルートという解決策が、スタッフの士気を下げることにもつながりかねません。つまりリクルートという人事施策は、現在働いているスタッフに目が向けられておらず、重要に思われていないと感じさせると離職意志が強まる可能性があるということです。


離職を防ぐには?

先日のコラムにて(リンクはこちら)、離職を防止する要因としては、「人間関係」「福利厚生」「教育体制の整備」などを挙げました。

まとめますと、人材が不足している現状に対する根本的な解決策は、スタッフの組織に留まりたいと思う気持ち、コミットメントを高める施策であるということができると思います。


その他、様々なパターンが書籍には載っているため、ご興味があればご一読下さい。

コメント: 0