医療専門職種として医療現場に従事する者は，専門職としてのキャリアを築き，多くの

人たちの健康達成度に貢献することが，最大の命題です．

　一方，個々の力を結集した専門職集団を統治(ガバナンス)し，その組織を有機的に運営

することにより，個人ではなし得ない集団としての成果を達成し，社会に還元することが

可能となります．

　医療専門職種の組織運営については，いまだ確立されたものは存在せず，それぞれの

手探り状態で進められていることが推察されます．

　また，社会情勢に合わせたコメディカル増員の政策により，本来であればまだ臨床業務

中心に取り組むべき年代より，組織の管理運営に携わらなければならないケースも増加

しているのが現状です．

　そこで本研究会は，各組織の管理者およびリーダー業務を実践している方々と

スペシャリストとして臨床・教育・研究を行いながら，同時に俯瞰的に組織を見渡す

ことのできる，ゼネラリストとしての在り方や，医療専門職種としての組織運営方法を

探り，議論を行っていきたいと思っています．

　この研究会が，各施設で部門のかじ取りを行う，リーダーや管理職の一助となり，我々の社会的価値の向上につながることを願います．

①医療専門職でありながら，組織運営を託された若手の理学療法士，作業療法士および言語聴覚士が組織運営に関しての意見交換を行い，問題解決の一端を担える場を提供する．

②最終的には，実際の医療現場で考えられる様々なケースに関して出来る限り普遍化した

内容のケーススタディーを作製し，医療機関におけるコメディカルの組織運営の方法論を

議論できる基盤を確立する．