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コメディカル組織運営研究会

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no.5「フォロワーシップ」

「フォロワーとは、リーダーを補佐する人のことで部下やチームメンバーをさす。フォロワーシップとは、集団の目的達成に向けて、フォロワーがリーダーを補助していく機能のことをいう(kotobankより)。」

 

 本研究会に参加、もしくは興味を持っていただいた方々は、中間管理職を任されていることも少なくないと思います。中間管理職には部下へのリーダーシップと、上司へのフォロワーシップの両方が求められます。私自身、臨床経験3年目であり、職場をより良くするにはどうすれば良いか日々考えており、そんな中、フォロワーシップという言葉と出会いました。組織の目標達成のために、どのように上司との関係を築くべきか、どのように問題に取り組むべきなのか、一冊の本を読んだ個人的感想を交えながら、綴っていきます。

 

 参考図書:アイラ・チャレフ著 野中香方子訳 2009年「ザ・フォロワーシップ」ダイヤモンド社

 

 「フォロワー」は言葉上、リーダーの後ろについて行くものとイメージしがちですが、実際、リーダーとフォロワーは、共通目的を中心にその周りを互いに回っており、正しい価値観を持って共通目的を追求することが、リーダーとフォロワーの健全な関係であると著書では述べています。

 

 フォロワーのタイプは、支援度と批判度を2軸として、「パートナー(支援高、批判高)」「実行者(支援高、批判低)」「個人主義者(支援低、批判高)」「従属者(支援低、批判低)」の4つに分類されます(図)。理想的なフォロワーは「パートナー」タイプであり、リーダーを精力的に支え、同時にリーダーの言動や方針に対して積極的に異議を唱え、組織の更なる成長に貢献します。

 

 リーダーは組織にビジョンを示し、議題について決定を下し、人に影響を与え、結果に対して責任を負います。フォロワーはビジョンを咀嚼し他のスタッフに伝え、方針に対しても提言を行い、時には具体策を考え、結果を出すため行動を起こします。つまり、リーダーとフォロワーは共通目的の達成のために、相互に補完する役割を担っています。

 

 もしフォロワーシップを率先して実行するのであれば、リーダーとの関係が閉鎖的になることを危惧する必要を感じます。つまりリーダーにとって理想のパートナーであればあるほど、リーダーはそのフォロワーだけに助言を求め、仕事を依頼するかもしれません。またフォロワー自体も、任されることが増えると、職場を俯瞰することが困難になります。もし閉鎖的になってしまえば、「個人主義者」や「従属者」は、よりその傾向を強めてしまい、「実行者」には組織改善のための更なる成長は期待できません。

 

 とても大変なことですが、理想的なフォロワーシップを実践するのであれば、リーダーとの良好な関係も結びつつ、現場の声を拾い上げたり、職場風土を整えたりといったチームメンバーへの働きかけも重要になってくると考えます。

 

 チームスポーツで例えると、リーダーは監督、フォロワーは選手といった個人的印象があります。「勝利」という共通目標のため、監督は選手のモチベーションを上げ、ビジョンを持って組織の力を生み出させ、一点に結集させていく。選手も監督のビジョンを理解し、時には勇気を持って進言することが求められます。また時には監督の指示をまたずに、自らの判断で動かなければいけません。

 

 共通目的を達成するために、上下関係ではなく、相互補完的な関係で、積極的に課題に取り組むことの重要性は、コメディカルの組織でも同じだといえます。

 

                           2013.11.1 R・T