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no.47 「働き方改革をリハ専門職の現場で考える」

政府は平成29328日に第10回働き方改革実現会議を開催し、「働き方改革実行計画」を決定しました。会議では以下の9つの分野に沿った検討がされています。

 

1.非正規雇用の処遇改善

2.賃金引き上げと労働生産性向上

3.長時間労働の是正

4.柔軟な働き方がしやすい環境整備

5.病気の治療、子育て・介護等と仕事の両立、障害者就労の促進

6.外国人材の受け入れ

7.女性・若者が活躍しやすい環境整備

8.雇用吸収力の高い産業への転職・再就職支援、人材育成、格差を固定化させない教育の充実

9.高齢者の就業促進

 

皆さんの組織では上記の検討課題について考える機会はありますか?現場レベルで問題になるものとして、患者・利用者のためにという合言葉の下、長時間労働を強いられる場合も散見され、過去には理学療法士の過労死が労災認定された事例もあります。長時間労働を是正するためには単に「残業するな」と言っても改善は望めません。

しかし、診療報酬上20分/1単位で働く限りはリハ専門職が診療時間を削ると組織の収益は減少します。(介護保険において「20分」の概念が無くなった部分は別の問題が生じていると思いますが、ここでは割愛させていただきます)従って、診療時間以外の間接業務を如何に減らすかが労働生産性を向上し、無駄な長時間労働を減らす手段になると思われます。

 

生産性の向上のためにはまず仕事の時間にロストタイムが無いか検討する必要があります。顕在的なロストタイムには、待機時間・やり直しの時間・手直しの時間・ミスに費やした時間などがあり、例えば患者の部屋を訪れたが不在のため探すといった時間が含まれます。潜在的なロストタイムとしてはスローペース(マイペース)・過剰品質による消費時間・重複・転記作業時間などがあり、例えば多職種が同じことを何度も患者に説明したり、カルテの内容をサマリーに転記するなどがあてはまると思われます。多くの病院で電子カルテ化が進み、作業時間の短縮が図られるなか、他職種連携の促進にて必要な文書の作成が増えているとも考えられるため、文書の簡略化は大きな課題ではないでしょうか。

 

我々、医療専門職種は患者や利用者のため働くことを大前提に、なおかつ職員が働きやすく(働きに見合った報酬をいただき)、組織として地域の健康達成度に貢献することが組織運営に求められていることと思います(近江商人の「売り手良し」「買い手よし」「世間良し」の三方よしですね)。「働き方改革実行計画」は国家レベルの課題に対して方向性を示し、日本人の労働に対する考え方そのものを変化させようとしています。皆さんも一度立ち止まって自組織における働き方について考えてみてはいかがでしょうか?

H.M

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