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no.29「何を伝えるかより、どのように伝えるか」

 みなさんは普段誰かにものを伝えるときに意識していることはありますか?「何を」伝えるか、「いつ」伝えるか、「どこで」伝えるか…。ここでは、「どのように」伝えるかについて紹介したいと思います。

 例えば、このコラムを依頼されるとします。

①今月末までにA4で1枚、1400文字程度のコラムを作成していただけますか?

②いつもありがとうございます。お忙しいところ大変だと思いますが、このようなコラムを作っていただけると助かるのですが…、お願いできますか?

③こんな感じで、チャチャッと作っちゃってよ!

 さて、みなさんはどのように依頼させるのが受け入れやすかったですか?私は①でした。このコラムを読む方は、おそらく①と答える方が多いと思います。しかし、なかには③のように言われた方が「いいよ!」と返事しやすい方もいたのではないでしょうか?

 

 では、なぜ同じ依頼をするのに異なる頼み方が存在するのでしょうか?

 

 人は生まれながらにして、6つのパーソナリティタイプ(性格の要素)を持ち合わせています。これらのタイプの組み合わせにより、1人1人の個性が生み出されているのです。これは、PCM(Process Communication Model®)と呼ばれる、心理学に基づいたコミュニケーションモデルによる考え方です。このPCMは、臨床心理学者・行動科学者であるテービー・ケーラー博士により開発され、アメリカではフォーチュン500社(全米における総収入上位500社)に入る企業やNASAで導入された実績があります。

 これらの6つのパーソナリティタイプには、各々よく使う言葉、得意とすること、動機づけとなるものがあります。そして、各々に発信のしかたと受信のしかたがあります。ここに「どのように伝えるか」のポイントがあります。

 私のベースとなるパーソナリティタイプは「内省・想像」です。このタイプは、すでに起こっている現実に取り組むよりも、これからどうなるだろうかと考えをめぐらせる場合が多いです。しかしながら、それを現実世界で活用することは苦手です。豊かな想像力があるタイプです。私もよく想像します。このタイプの人には、明確・簡潔・具体的な指示を与えてみて下さい。「忘年会の二次会の予約、よろしくね!」ではなく、「忘年会の二次会は、会場から徒歩5分圏内で、30名ほど、一人あたり5000円以内の予算で飲み放題をつけて予約しておいてください。」と頼んでみましょう。今までなかなか決められなかった人が、テキパキと動けるかもしれません。

 「あの人と仕事をすると、いつもスムーズにいかない。」

 「あの人、なんだか苦手。」

 これらはきっと、自分の想いが相手に届いていないのではないでしょうか。私生活や仕事において、コミュニケーションは欠かせないものです。物事を誰かに伝えるときには「何を」伝えるかよりも、それを「どのように」伝えるかが重要なのではないか。特に最近はこのように感じています…。切実に(笑)

N.T

 

参考および引用文献

 クリストファー・スタイナー,永峯涼(訳):アルゴリズムが世界を支配する.角川書店,2013年.

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